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腸の役割

 腸は臓器別でいうと、消化器の一つです。口、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肛門までを消化管と呼びますが、管とついているのは、切れ目のないチューブに似ているからだと思います。
消化管は、単純な仕組みに思われがちですが、口に入った物が消化、吸収され、便として排泄される迄には、実に巧妙に精巧な腸のメカニズムが働いているのです。
あまり精巧にに出来たメカニズムなので「腸は頭脳を持ている」といわれるゆえんです。
では、その頭脳といわれるのは、一体どのような働きをしているのでしょうか。なぜそれほどまでも高度でなければならないのでしょうか。
 私たちの口に入る物はすべて消化管へと送り込まれてます。食物や水分だけではなく、空気、ホコリ、目に見えない細菌やウイルスまで、言ってみれば外界にあるものすべて口に入る可能性があるのです。その意味では、消化管の内側は、皮膚と同じように、外界と背する面があり蛇腹のついた管の様な構造と言ったらわかりやすいと思います。消化管の内側と皮膚には、質的には違いがあります。皮膚は、常に外界にさらされて簡単に傷つかない様強い膜になっております。
一方消化管の内側は、皮膚と同じような構造では役に立ちません。何故なら、外から入ってきた色々な物を、消化し吸収、排泄すると言う機能を正確に行えなければならないからであります。
その上に、腸には、100兆個とも言われている腸内細菌が存在し、上皮細胞は、常に細菌の働きによる醗酵と腐敗の影響を直に受ける環境にあるのです。
この様な、複雑な環境の下、上皮細胞は非常に精巧なセンサーの役割を果たす重要な仕事あります。胃に食物が入ってくると反射的に腸の神経系も働き始めます。この腸神経系は、脳の指令を受けて働くのではなく独自で必要に応じて働くのです。
例えば、脳に何らかの異常があっても、口から食べ物を食べ飲みこむことが出来なくても、胃に直接食べ物を入れる事が出来れば、そこから直腸まで腸神経の指令により、食べ物は運ばれて行くのです。この事が、「腸には頭脳がある」と言われる所以です。
胃に入ってきた食べ物は、蠕動運動により胃液と混ぜあって消化され粥状になります。そこにアルカリ性分泌液によって中和され、胃の最下部の幽門活約筋が開き十二指腸へと送られます。

 十二指腸は、粥状の柔らかい物を少量にしか処理が出来ない為、非常に微妙な働きをタイミングよく調整する必要あるのです。その機能を円滑に正確に行っているのが脳、腸神経です。
十二指腸は、肝臓、すい臓と深く関係しております。この二つ臓器から送られくる分泌液が消化には不可欠です。酵素、胆汁、膵液によって消化が進むと、糖質はブドウ糖へ、たんぱく質はアミノ酸、脂肪は脂肪酸と分解され吸収の準備が整います。
ここでも腸の神経系が深く関係しているのです。胆のうには肝臓から分泌された胆汁が貯蔵されており、ホルモンの作用によって十二指腸の乳頭から分泌されます。乳頭には、大小2つの穴があり、そこから胆汁に続いて、膵液もこの乳頭から分泌されます。
この膵液を活性化させるために、十二指腸線から出たもう一つのホルモンもすい臓に信号を送り、腸内をアルカリ性の環境を作ります。小腸の粘膜は、胃粘膜と違い酸には弱い為この様なプロセスが必要なのです。
消化された食べ物は、広げればテニスコート一面の広さといわれている小腸の空腸、回腸へと、そこには絨毛と呼ばれ微細な突起物びっしりとあり、絨毛の表面には、栄養を吸収する為の粘膜上皮細胞がありその根元には消化液を分泌する分泌腺があり、蠕動運動により攪拌されながら消化が進み大腸へと送り出されていくのです。
大腸に入った食べ物は、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S字結腸と移行し、その間に水分が吸収され徐々に便の形になり直腸へと送られ排出されます。

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