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蓄積脂質の排泄作用

蓄積脂質の排泄作用

血管などに蓄積されたコレステロールや中性脂肪は、血栓や高血圧・脳卒中・心筋梗塞の原因となります。腸内細菌と生産物質は、血管壁に蓄積した脂質成分を溶解して排出し、動脈硬化の症状を改善します。
例えば、菌体内で産生された物質の中で、分子量3万のタンパク質がコレステロール値を、分子量1万4千の多糖類が中性脂肪値を低下させる等、多くの学会報告がされています。

・降圧作用
コレステロールや中性脂肪を吸収阻害して、体内への脂質分の取り込みを減少させ、又、蓄積された脂質分の排出を促進します。
又、血圧降下ホルモンの分泌を促進します。その他に、自律神経、特に副交感神経の正常化に働き、血圧を安定させます。

・過酸化脂質減少作用
腸内細菌は、スーパーオキシドジムスターゼ等の酵素を活性化させて、飽和脂肪酸が過酸化脂質になるのを消化管内で減少させます。

・酵素の活性化作用
モノアミンオキシターゼ活性による脳の神経伝達物質であるドーパミンの産生や、肝臓のアニリンヒドロキシラーゼ活性・腎臓のβ‐グルコシターゼ活性・膵臓のリパーゼ活性などの酵素活性が良く知られています。
これらの作用により、臓器の正常化に働きます。
又、腸内細菌の酸性物質の内に睡眠促進物質であるムラミドペプチドが発見され、睡眠障害に作用することが報告されています。

・ビタミンの合成作用
腸内細菌はVk・V1・V2・V6・V12・葉酸・パントテン酸・イノシット・ビオチン等を産生しているのが報告されていますが、最近の研究ではほぼ全てのビタミンは体内で産生されているのではないかと言う報告もされています。
腸内細菌のバランスが整えば、ビタミン欠乏症がなくなるとも言われるのは、この様な研究発表と合致するものです。

・ホルモンの産生と代謝作用
副腎皮質ホルモンや男性ホルモン・女性ホルモンなどは、胆汁に分泌されて腸管に入り、腸内細菌が代謝して変換され、これが再び吸収されて作用する循環作用系となっています。
つまり、腸内細菌はホルモンの感受性を高める作用増幅因子を産生しています。
又、二種類の副腎皮質ホルモンと五種類の性ホルモン等は、腸内細菌自体が産生していることが報告されています。
これらの報告から分かるように、アレルギーの改善や生殖能力の向上に腸内細菌は作用します。

・タンパク質の利用率への作用
タンパク質の利用率は無菌動物では摂取した食物の14.8%しか利用されませんが、通常の動物では25.3%のタンパク質が利用されています。
腸内細菌が体の活性を高めている一つの作用です。

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