水素で有害な活性酸素を撃退 日本医科大が発見
2007年05月08日08時41分
水素が体に有害な活性酸素を取り除き、急病の治療などに使える可能性があることを、日本医科大の太田成男教授(細胞生物学)らが細胞や動物の実験で見つけた。米科学誌ネイチャー・メディシン電子版で8日発表する。酸化を招きやすい活性酸素は病気や老化を引き起こすとされている。
活性酸素にはいろいろな種類があるが、太田さんらが水素をとけこませた水の影響を培養細胞で調べたところ、酸化力が強くて体に有害な「ヒドロキシラジカル」という活性酸素を除去できることがわかった。
また、脳への血流を90分間止めて脳梗塞(こうそく)状態にしたネズミに濃度2%の水素ガスを吸わせて、活性酸素による障害を防げるかどうか調べた。その結果、水素を吸わせない場合に比べて、脳の細胞が死ぬ程度を半分ほどに抑えることができた。
東京都老人総合研究所の田中雅嗣・健康長寿ゲノム探索研究部長は「水素で実際に人の病気や老化を防ぐことができるのか、どのくらい摂取すればいいのか、確かめるにはまだ多くの研究が必要だが、期待できる研究結果だ」としている。
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